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プロジェクト紹介

対象と事象の知覚体制化に関する実験的検討

視覚のみならず皮膚感覚,前庭感覚など身体全体と環境との関係を「事象」知覚の枠組みから検討する。関係の知覚,生物らしさ,ベクションなど運動知覚を中心に扱う。

プロジェクト期間

2017年度プロジェクト [ 2010年度〜継続中 ]

目的

我々は、運動事象に知覚される生き物らしさ及び意図、因果関係などの関係、触運動による対象同定過程の検討、自己と環境との統合としての皮膚感覚での自己運動知覚の問題を、時間的特性と空間的特性をあわせた「事象(event)」の枠組みの中で実験的に検討してきた。

内容

我々は動きという時系列上の変化から様々な事象を知覚している。生き物であるかどうかを区別する情報もそこに含まれている。無生物である玩具の動きにも生き物らしさ及び関係が知覚される。複数対象が同時に視野内に存在する場合,基本的に対立関係が知覚されるが,接触を余儀無くされる環境では,協力関係が知覚されるようになることを明らかにした。
 一方で、そうした情報の中には我々自身の動きに対応するものもある。視覚における光学的流動がよく知られているが,そうした情報は視覚に限ったものではない。視聴覚からの情報がなくとも皮膚への風と前庭への振動を組み合わせることで自己運動知覚が生じる。実際の移動を加えて検討したところ,知覚された自己運動の方向に風の吹く方向が重要な役割を果たしていた。移動の方向と風の方向が不一致の場合に,知覚される運動方向は風の方向によって規定されていた。さらに,風源が観察者に近づくまたは離れる条件を比較した際,離れていく条件で,風は前から吹いているにもかかわらず,後退運動が知覚された。皮膚への風圧の相対的な変化に後退運動を知覚した。これは視覚における二次元平面における縮小流動パターンに後退運動が知覚されることと対応している。また,能動運動条件では,その生起が抑制される。
 感覚器官が何かにかかわらず、我々は変化する事象から様々な情報を探索的に得ている。そこには、環境側の情報だけではなく、自己の動きも含まれる。そうしたことを包括的に検討する。

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