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プロジェクト紹介

ハチクマ(タカ目タカ科)のハチ防御機構の研究

プロジェクト期間

2017年度プロジェクト [ 2017年度〜継続中 ]

目的

 毎年、晩夏から初秋にかけて、スズメバチによる刺傷事故が報告され、中には命を落とすケースも散見される。意図しないスズメバチとの接触を避けるためにスズメバチ忌避剤の開発が望まれるが、効果のある薬剤は未だに開発されていない。
 ハチクマは猛禽としては珍しくハチ(スズメバチの仲間・ミツバチの仲間など)の巣を襲って幼虫等を捕食する性質を持つ。必然的にハチから毒針による反撃を受けるが、刺されても平然としているため、ハチ毒に対する何らかの抵抗性を持っていると考えられる。また、ハチクマと接触したハチはその攻撃性が減退するように見えることから、ハチクマの体にはハチ類の活動を抑える物質が存在すると考えることができる。
 これらの仕組みを解明することにより、ハチ毒を無害化する仕組みやスズメバチを避ける防虫剤(忌避剤)の開発につなげるのが本プロジェクトの目的である。

内容

渡り鳥であるハチクマは毎年5月末から6月初旬に日本に飛来し、野生のクロスズメバチを中心にハチ食を開始する。特に初夏にはミツバチを狙って養蜂場の近辺に出没することが多い。樋口・時田らはハチクマの渡りルートの解明を行うために、ハチクマを捕獲して発信器を取り付ける研究を長年行ってきた。この経験を生かして野生のハチクマを捕獲して羽毛や血液を採取し、①血液で発現する遺伝子の網羅的解析(長井・小野)、②ハチクマの羽毛成分の科学的分析(坂本)、③ハチクマの羽毛成分がミツバチに与える影響のバイオアッセイ(小野・樋口)を連携して行い、ハチクマのハチ防御機構の総合的な解明を目指す。2016年度までのハチクマの捕獲および血液・羽毛サンプルの採取は環境省の捕獲許可を得て行っており、2017年度についても申請予定である。

①血液で発現する遺伝子の網羅的解析
 2016年度までに次世代シークエンサーを用いた網羅的解析の基幹部分は終了しているので、2017年度はデータベースとの比較などコンピューター上の処理が中心となる。
②ハチクマ羽毛成分の科学的分析
 京都学園大学の機器を使用して、羽毛に付着している成分のガスクロマトグラフ質量分析(GC-MS)を行う。ここで得られたデータを元に次のバイオアッセイを行う。
③ミツバチを用いたハチクマ羽毛成分のバイオアッセイ
 閉鎖飼育下のミツバチ(働き蜂)を検定チャンバー内に封入してハチクマ羽毛に含まれる成分を与え、行動が抑制されるかどうかについてビデオ解析を行う。

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