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プロジェクト紹介

クラウド型自動点訳システムの構築

画面上の文字情報を音声や点字に変換して表示するスクリーンリーダー「NVDA」の開発を通じて正確で低コストに提供可能なクラウド型自動点訳システムを構築する。

プロジェクト期間

2017年度プロジェクト [ 2016年度〜継続中 ]

目的

 昨年より施行された障害者差別解消法により、行政団体等で開催される委員会の配付資料や窓口業務における即時的情報の提供等において、視覚障害者に対する合理的配慮は点字媒体による印刷と提供が求められるケースが増大している。たとえば、住民への通知文書やパブリックコメント、選挙等での公報、役所からの封筒への点字の印字等、その利用者から求められれば負担のない範囲で提供しなければならない。民間企業においても同様の取り組みは努力義務として法的に位置づけられており、今後視覚障害者に対する合理的配慮の視点で点字や電子媒体による情報提供が行われることが期待される。
 現在、点字による情報提供はコンピューターによる自動点訳によって活字から点字へ変換するケースがある。しかし、このアルゴリズムは100%の精度で正確に翻訳できるわけではなく、最終チェックには必ず人的作業が加わる。この作業は主に点字図書館等の専門機関に依頼したり、点訳ボランティア等に依頼して最終版を仕上げていくことになるが、人が間に入る手続きが介在する以上は時間を要し、自動点訳のメリットを十分に生かし切れていない。即時的情報の提供の視点で自動点訳はより高精度で翻訳できることが求められており、かつメンテナンスのしやすさについても考慮され、リッチなインターフェイスを実装し、ユーザビリティーにおいて最大限の満足感が得られるよう設計する必要がある。これにはクラウドのようなサーバーとクライアントの双方向通信、分散コンピューターによるサーバーへのフィードバック機構を設け、点訳辞書本体はサーバー側に持ちつつもクライアントからの点訳辞書へのフィードバックを受信でき、インターフェイスはクライアント側で実装していくような仕組み作りが必要である。
 そこで、クラウド型自動点訳システムを構築していくことを本共同研究プロジェクトの目的とする。クライアントとサーバーの同期、それから人的なチェック機構をクラウドという枠組みで整理し実装していくことにより、新たな時代の自動点訳システムを構築する。これまでにこのような研究は存在せず新規性は高い。

内容

1.スクリーンリーダーを中心とした現状の問題点(課題)
 スクリーンリーダーとして普及しつつあるNVDA日本語版の場合、点訳の間違いが見つかっても最終的に反映するのはプログラム本体を書き換えなければならない。正しい点訳ルールに則った点字出力ができるまでに時間がかかる。従って一般のユーザーによるメンテナンスは困難である。
 このような問題はNVDAに関わらず多くのスクリーンリーダーが抱える課題である。NVDAはオープンソースのスクリーンリーダーであることから、ユーザーやボランティアが積極的に参加し、よりよい点訳辞書を構築する可能性がある。オープンソースのメリットを最大限に生かす形でユーザーのフィードバック機構に基づく自動点訳辞書を開発・運用できる。

2.クラウド型自動点訳辞書システムとは
 上述の課題を解決するためには、点字(または点訳)を利用するユーザーやボランティアからの登録単語や登録熟語の点訳を収集・解析し、点訳ルールに則ったそれら熟語や単語を点訳辞書に効率的に反映できる仕組み(機構)が必用である。
 そのシステムとしてクラウドを前提に考える。クラウドを構築するシステムのイメージとしてサーバーに点訳辞書を保有し、マスターデータとして管理する。これをマスター辞書と定義する。一方、クライアント側にも点訳辞書を保有し、オフラインでアクセス可能なデータとする。これをクライアント辞書とする。サーバーとクライアントそれぞれの辞書は定期的に同期される仕組みを設ける。
 マスター辞書は定期的にメンテナンスが行われ自動点訳の精度を高めるよう単語や熟語を登録・修正していく。この修正過程については、下記で述べるユーザーからのフィードバック機構と、点訳の専門家のチェック機構を通してマスターに反映するようシステムを構築する。

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