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化学発光 (*)

ルミノールおよびルシゲニンの反応に伴う発光を観察し、その原理を学ぶ。

実験風景

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実験の紹介

実験の目的とねらい

通常の化学反応では、生成物が生じた際に余分なエネルギーは熱として放出される。しかし、希にそれが光として放射される場合もある。これを化学発光という。化学発光の様子を実際に観察し、またその反応機構を学ぶ。

実験内容

化学発光は弱い光なので、試薬の準備がだいたいできた段階で部屋を暗くする。水-エタノール混合液にルミノールを懸濁させる。この溶液1mlを試験管にと り、水酸化ナトリウム水溶液と3%過酸化水素水を加え、さらにヘモグロビン水溶液(またはフェリシアン化カリウム水溶液)を加えて発光させる。同様に、懸 濁させたルシゲニン溶液に濃アンモニア水を加えた後、3%過酸化水素水を加えて発光させる。また別途、ルシゲニン溶液に蛍光色素(ローダミンBあるいはフ ルオレセイン)をあらかじめ添加しておいた場合の発光の色の変化についても観察する。

実験上の注意

<実験開始前の準備>
[使用器具および試薬]
・超音波洗浄器
・三角フラスコ
・ミクロスパーテル
・50 mlメスシリンダー
・ルミノール
・ルシゲニン溶液
・3% H2O2
・ヘモグロビン溶液
・赤血塩水溶液
・フルオレセイン溶液
・ローダミンB溶液
・濃アンモニア水
・水-エタノール混合液(1:1)
・エタノール
・氷
個人器具および机上試薬

[溶液の調製]
・0.1%ヘモグロビン水溶液を作った後、吸引ろ過で固体を除く。(通常のろ過では非常に遅い)。
・ルシゲニン溶液は200 mgをエタノール1 Lの割合で溶かし、100 mlビンに小分けした後、ルシゲニンを30 mg(小薬さじ一杯くらい)加える。つまり、ルシゲニンの粉末が若干沈殿するくらいで調製しておく。もし、ルシゲニンがびんの底にほとんど沈殿していない ならば追加しておく必要がある。
・ローダミンBとフルオレセイン溶液はミクロスパーテル5~6杯をエタノール50 mlの割合でそれぞれ溶かす。
・3% 赤血塩水溶液を作る。
・ヘモグロビン水溶液、赤血塩水溶液、過酸化水素水は冷蔵庫保存。
・実験の際に、ヘモグロビン水溶液と過酸化水素水は氷で冷却して出す。

<実験開始時の注意>
・ルシゲニンは超音波洗浄機でよくけん濁させてから分け取る。
・実験室の電気を途中で消す。(化学発光を観察しやすいようにするため)。

<失敗例>
・ルシゲニンをよくけん濁させなかったため、発光しなかった。

実験テーマの履歴など

慶應義塾大学日吉キャンパスの文系学生を対象とする化学実験において、この実験テーマは2000年度以前から行なわれていました。ルミノールとルシゲニンの化学発光の反応機構および発光スペクトルについては参考文献(1)に説明があります。さらに、詳しい反応条件や反応機構について調べ、解説としてまとめました。(2) 2010年度から、ライトスティックについての実験も開始しました。この反応機構についても、解説としてまとめました。(3)

 参考文献
(1)B.Z. Shakhashiri著、池本勲訳「教師のためのケミカルデモンストレーション2 化学発光・錯体」(丸善、1997年).ルミノールの酸化、pp.35-46; ルシゲニンの過酸化水素による酸化、pp.60-65.
(2)大場 茂、向井知大、「ルミノールとルシゲニンの化学発光」、慶應義塾大学日吉紀要、自然科学No.48, pp.31-57 (2010年).
(3)大場 茂、向井知大、「化学発光の実験でのライトスティックの利用」、慶應義塾大学日吉紀要、自然科学No.49, pp.1-18 (2011年).

実験テキスト

化学発光  pdf (689KB)

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